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泉の本棚

主宰および同人の近著

2020 年刊行

 
 『冬泉』藤本美和子
 KADOKAWA
 2020年9月25日
 定価2,700(税別)
 ねむりたる赤子のとほるさくらかな
 裏山のひかへてゐたる雛屏風
 イースターホリデーにして橋の上
 湖の夕白波や夏祓
 夜振火も浦風草もまた吹かれ
 身を折りて聴く八月の風のこゑ
 いちにちのはじめしろばなさるすべり
 海中の冥さなりけり蟬の穴
 秋蟬のこゑの重なる妣の国
 鳥籠の向かうがはなる冬景色
 夕刊のたたみてうすき氷点下
 先生のこゑよくとほる冬泉
 
 『読む力』井上弘美著
 KADOKAWA
 2020年4月1日
 定価1,800
 『俳句』(平成29年1月号~平成31年3月号)に連載した「弘美の名句発掘」に書下ろしを加筆した一冊。

名句は誕生したときから光を宿している。しかし、その光を感じとったり引き出したりする読み手がいなければ、光は孵らない。・・・韻文を韻文として読む力。これなくして、俳句を深く掘り下げて味わうことはできない。(「はじめに」より)
 
 『七生』石井那由太
 ふらんす堂
 2020年12月21日
 定価2,500(税別)
 倒木に日の射してゐる初音かな
 木の花は今が盛りぞ浮いてこい
 毛虫行く満艦飾の身をゆらし
 星冴ゆる詩神はいつも仰がれて
 恩寵のいろとなりたる龍の玉
 花屑を掬ひて花を惜しみけり
 草笛を吹きゐる妻の山河かな
 白雲の押し移る夜のほととぎす
 湖風はアイヌの風よ冷まじき
 翅立ててこの世の蝶となりにけり
          (大木あまり選十句)

2020年以前の刊行物
 
 『天空』 藤本美和子
 角川SS
 
コミュニケーションズ
 2009830
 定価2,800(税別)
  逝く春の床几の端を空けたまひ
 羽子つきのうしろが空いてゐたりけり
 萩刈りし辺りに母を忘れたる
 子どもらの水に映りてこどもの日
 花びらの失せてをりたる野菊かな
 天空は音なかりけり山桜
 八朔の風のやうなる胡弓弾き
 蓬籠蓬の中に置かれけり
 鳴くときの身を浮かせたる秋の蟬
 春満月生後一日目の赤子
 北向きの父の枕は夕焼けて
 母の家の畳を拭きぬ柿の花
 蹠は地べたの上や盆休
 梟の闇の正面ありにけり
 火山灰降つて春の氷となり
 
 『井上弘美句集』
 ふらんす堂現代俳句文庫

 201213
 定価1,200円(税別)

  屍の体位となりし霜のヨガ

 大年の夢殿に火のにほひかな

 てのひらをやはらかく熊眠れるか

 盆踊沖を一灯とほりけり

 黒葡萄祈ることばを口にせず

 たましひのかたちに冷えてみづうみは

 母の死のととのつてゆく夜の雪

 下りて来し山がまつくら茸汁

 ふらここに坐れば木々の集まれり

 大いなる夜桜に抱かれにゆく

 

 『俳句ハンドブック』
 角川学芸出版
 2012年3月25日
 定価800円
 執筆協力:井上弘美
 高柳克弘、藤本美和子

日本は伝統的に「言霊」の国です。ことばが単に意味を伝達するだけでなく、ことばそのものに力が宿っていることを信じ、それを大切にしてきました。「季節のことば」はそのことを実感させてくれます。そして、「季節のことば」は豊かで美しいだけでなく、自然や人に深く呼びかける力をもっています。その力が、ことばを発する人にもエネルギーをくれるのです。 (「はじめに」より)
 
 『藤本美和子句集』
 ふらんす堂
 現代俳句文庫
 2012330
 定価1,200円(税別)
  まくなぎの群はひつぱりあひにけり  
                  『跣足』
  
はればれと佐渡の暮れゆく跣足かな
 
両翼を広げて暗し都鳥
 
胸元に引き寄せられて残る花     
                  『天空』
 
子どもらの水に映りてこどもの日
 
天空は音なかりけり山櫻
 
かかへくるカヌーの丈とすれちがふ
 
はるかなるものの映りて水温む
 
木の国の木の香なりけり茸飯
 箱庭の松にかよへる富士の風 
                    「泉」 
 

 『燕』 橘いずみ
 ふらんす堂
 精鋭俳句叢書
 2012年9月15日
 定価2,400(税別)

 夏野来て子ら草になり風になり

 母を待つ子の掌の中の木の実かな

 学校の胡瓜の太く曲がりたる

 手の内にジョーカーのある冬籠

 捕虫網秩父の風をすくひけり

 きさらぎや鳥の翼の白き紋

 母ありて南天の実の色づきぬ

 酒屋にも洋食屋にも燕かな

 馬鈴薯の花に雨降る参観日

 セーターより白き兎を抱きにけり

 夏の月子を産みし日もかく赤く

 東塔も西塔も星月夜かな

 立春のポケットに差すハーモニカ

 着ぶくれて国会議事堂通りけり

 窓に来て子の口ずさむ卒業歌
 
『二言』伊藤多恵子
 本阿弥書店
 2012年12月10日
 定価2,800(税別)

 
  溝蕎麦の動かぬ水の流れけり

 野苺をつむ間の夫を佇たせけり

 手を洗ふ間の朝顔の数であり

 姉と居り火鉢の灰のしづけさに

 リュック一つ置かるる雀隠れかな

 紀の国の入り口曇る葛の花

 板の間の夫のごろ寝や終戦日

 猪垣に音のありたる盆の月

 秋色の岬の一人動きけり
  姉がまた秋茄子のことを言ふ

 
 『枇杷の花』片山久子
 ふらんす堂
 2013年3月3日
 定価2,476(税別)
 寺領なるいちまいほどや紫蘇畑

一湾を遥かにしたり青山河

汐風の高さにありて青芒

神域に身を入れたたむ白日傘

卯の花や遺りし夫の常備薬

蕉翁の米磨ぎたるか寒の水

白梅の片側の暮れ始めたる

盆棚に赤き実ひとつ足しにけり

山風の荒ぶ寒天晒しけり

 朝顔の紺のもつともさびしかり
 
 『楡』岩澤静枝 
 ふらんす堂 
 2013年4月28日 
 定価2,476(税別)

 母もせし菖蒲鉢巻したりけり

あらふねは雨の中なる桔梗かな

指のはらもて白桃をむきにけり

楡の木におもかげひとつ夏帽子

真白な船の通りし寄居虫かな

河鹿鳴く遠くの声でありにけり

待ち人に瓜を浮かせし金盥

勝彦の座りし岩や秋燕

花筏小舟を引いて行きにけり

 籠一つ載せて戻りぬ若布刈船
 
 『遠望』菅家瑞正
 ふらんす堂 
 2013年7月25日 
 定価2,476(税別)
 水餅に然るべき手を入れにけり

田の神は丸石一つほととぎす

お天道さまと泰山木の花

余り苗余りすぎてはをらぬかと

透き通るものみな寒に入りにけり

山並のよろしき国のどんどかな

木刀も杖も売られて春の山

遠望をもてこの秋を惜しみけり

山といふ山隠れなし波郷の忌

大樟の青蓮院や時雨傘

シャンパンの栓の飛んだる桜かな

日捲りの大きな数字鮎の宿

新涼や立てて干さるる檜板

一本の川千本の曼珠沙華

 柊を挿してよといふ妻の声
 
『鑑賞日本の名句』 
「俳句」編集部編 
 角川学芸出版 
 定価1,600(税別)
 

俳句は鑑賞から―。

目からウロコの発見があります!

 日本の名句を「春」「夏」「秋」「冬」「新年」に分けて収録。俳句に親しみながら鑑賞力が身につく俳句入門書。 (藤本美和子副主宰共著)
 
『俳句上達9つのコツ』
 井上弘美著 
 NHK出版
 2013年9月20日
 定価1,400(税別)
 

この本は、俳句を詠んでみたいと思う人、基本に立ち返って俳句作りをレベルアップしたいという人のために作りました。…俳句は地道に一歩一歩進むしかありませんが、それでも上手な歩き方はあります。…多くの方が同じところで躓いていらっしゃることを実感してきました。その躓きを整理して、躓かない方法や解決方法などをアドバイスしてあります。

          「はじめに」より
 
 藤本美和子著
 『綾部仁喜の百句』
 ふらんす堂
 2014年10月10日
 定価1,500(税別)
「乾坤の変」「造化の語る即刻の説話」等々、これら仁喜の文言は、すべて「古人の求めたる所をもとめ」んとする求道の心から発せられたものだ。芭蕉は仁喜がことさら敬愛する人物である。ことに<秋近き心の寄や四畳半 芭蕉>の句を好んだ。この句は大津の医師木節亭で巻かれた四吟歌仙の発句である。この座に集まったのは芭蕉、木節、惟然、支考の四人である。寿貞の訃報に接した直後の芭蕉を労わる連衆の心配りを汲み取った芭蕉の心が「心の寄や」の措辞に表われている。そして仁喜の求めんとする理想の境地もまたこの発句の世界にある。
      (本著「綾部仁喜小論」より)
 
 植竹春子句集『蘆の角』
 ふらんす堂
 2014228
 定価2,571(税別)
  薄氷や人間身分証明書
 足音の身をはなれゆく寒の入
 歌うたふやうに風船あがりけり
 日月の音立てて過ぐ蘆の角
 たまゆらの光ひとすぢ下り鮎
 鶺鴒の叩きし石に坐りけり
 にはとりに踵がなくて小六月
 川の音すれば川見て年の果
 割るほどもなき文机の鏡餅
 一行は十七文字灯取虫
 
 『実践俳句塾』
 井上弘美著
 本阿弥書店
 2015年4月7日
 定価1,700(税別)
 

その俳句、もう一歩踏み込める!

初心者から上級者までの豊富な作例をもとに、俳句をより味わい深くする推敲の方法を、段階的に示しながら分かりやすく解説する画期的な俳句入門書。
 
 鈴木のぶ句集『好日』
 アイワード
 2016年8月7日
 定価2,600(税別)
  どの石も日の当りゐて卒業す
 嬰の反り返る力や花こぶし
 木々の葉の重なり深き盆迎
 佛生会雪を脱ぎたる山の肩
 怪獣になる氷塊の切り出され
 氷像の鷲羽搏きて溶けにけり
 テーブルに湯呑が二つ流氷来
 春泥を跨ぐ両足両手かな
 教会の朝顔は紺一色に
 好日を賜はる人も虫の音も
     
 
『季語になった
 京都千年の歳事』
 井上弘美著
 角川書店
 2017年4月5日
 定価1,600円(税別)
 

名句が教えてくれた古都の祭りの楽しみ方 伝統的な歳事から、一度は見たい奇祭まで。知られざる、未知のみどころを古今の名句とともに読み解く、新・京都歳事案内。

 

春から新年まで、季節ごとの京都の50の歳事を案内。その歳事が行われる寺社の紹介と、名句が鑑賞できる一冊。
 
 小橋信子句集『火の匂ひ
  ふらんす堂
  2019年7月20日
  定価1700円

 
  砂浴びの羽裏が白し雀の子
 遠き日の火の匂ひせり雪女郎
 歩み来し道失せにけり青嵐
 人体のかくやはらかき芒種かな
 榾の名を梅と聞きたる春炉かな
 初夢のわが厨子王を探す旅
 水を飲む一瞬昏し夏燕
 流星や縄文土器の一欠片
 ふくろふの鳴きたる月の欠けにけり
 クリスマスキャロルアロエの千の棘



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